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スターツコーポレーション株式会社 関戸 博高 |
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1995年の阪神大震災を目の当たりにして私は痛感しました。「地震に対して地域を安全に維持することは建築技術者としての使命だ」と。旧来の耐震設計法では建物こそ損壊しないが、家具の転倒は人命に危機を及ぼします。免震であれば、家具は転倒しにくいことが実証されています。免震を広く普及し地域の安全を守ることが、高床免震における社会貢献だと考えます。 免震の原点は古来より存在しました。地震の激しい揺れを受け止め、柔らかく受け流すという発想は、日本の飛鳥時代に既に生まれていました。日本の寺社には組手としてその技術が存在しています。この発想が現代まで進化を続けて免震に到達します。現代の免震は科学的な実証を繰り返し、緻密なデータ解析を行うことで成り立っています。日本で次の大きな地震被害が起こる前に、この最先端技術の粋を広く普及したいです。 震災には「減災」という考え方があります。電子情報化により地震発生の数秒から十数秒程度前に「大きな揺れが来る」と瞬時に伝わります。実際の地震被害を最小限に減らすのにも効果があります。免震建築物は、オーナーの資産を守ることはもちろん、地域住民にとっては一定の避難所の役割も果たせます。地域の防災・減災に役立ち、非常時に人心の安定があってこそ、個人の資産も守ることができます。時代が免震技術の普及を求めているのです。 免震を取り入れたからといって、事業としての採算に合わなければ意味がありません。高床免震では免震建築による賃貸事業の採算性を重視します。また、仲介・運営・管理・ファイナンスなどの指導も含めたバックアップ体制をとっています。免震の普及は経済から切り離された技術だけでは成り立ちません。 建物が壊れなくてもライフラインを絶たれたら生活できません。飲み水は配給されるかもしれませんが、トイレや風呂で水が不足するのは困ります。防災用の井戸が在り、少しの飲み水が得られれば数日間はしのげます。井戸は古来より地域において神聖なものとして扱われてきました。その役割を見直したいと思います。井戸の存在はその地域コミュニティの核となります。井戸に人が集まることで、コミュニティとしての力も増します。災害時には地域の力は欠かせません。平時には植栽用散水・道端の水盤として利用し、地域の潤いに役立つものとして計画したいです。
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